危険性が高い! 歯ぎしりなどの「咬合神経症」とは
咬合神経症とは、俗に「歯ぎしり」と呼ばれる症状です。
歯ぎしりが繰り返されると歯自体に影響があるだけではなく、全身の疾患を引き起こす恐れがあります。
どのような影響や原因があるのか、詳しくご紹介します。
咬合神経症とは
咬合神経症とは「ブラキシズム」とも呼ばれ、歯ぎしりや噛みしめが代表的な症状です。
症状が現れる時間帯は、昼の仕事中や夜の睡眠中など、人によって異なります。
いずれも無意識のうちにしてしまい、人に指摘されるまで気付かないケースがほとんどです。
気になる場合は自分が歯ぎしりをしていないか周囲に聞いてみたり、歯科医院での検診を受けましょう。
咬合神経症の悪影響
咬合神経症は歯を食いしばって強い圧力をかけるため、歯にさまざまな悪影響を及ぼします。
歯をすり合わせて摩擦がかかると、表面のエナメル質が欠損します。
するとむし歯になりやすくなったり、冷たいものがしみる知覚過敏になってしまいます。
さらに負荷がかかり続けると歯が擦り減ったり割れてしまい、最終的には大切な歯を失う危険性もあるのです。
また、咬合神経症が与える悪影響は口内だけにはとどまりません。
強く噛みしめることであごにも負担がかかり、痛みやだるさを感じやすくなります。
顎関節症になってあごが開きにくくなったり、顔にゆがみを生じてしまう場合もあるのです。
そうなると全身にも影響が出て、頭痛や肩こり、腰痛を併発するケースも少なくありません。
咬合神経症の原因・治療法
咬合神経症の原因にはさまざまなものがあり、はっきりと断定することは難しいとされています。
代表的な原因は以下の2つですが、他にもアルコールや喫煙、遺伝などが一因となっている可能性があります。
■噛み合わせの異常
噛み合わせが悪いと歯の接触に違和感が生じ、咬合神経症になりやすくなります。
この場合、噛み合わせの調整による治療を行います。
歯を削る、歯列矯正をするといったことが代表的な治療法です。
■ストレス
かつては噛み合わせの悪さが、咬合神経症の一番の原因とされていました。
しかし現在は精神的負担、つまりストレスも大きな要因だとされています。
この場合は心療内科と連携して治療を受けるなど、ストレスの軽減を図ることが最優先となります。
咬合神経症を改善させるには
多くの場合、咬合神経症の原因は一つではないと言われています。
ですから生活習慣を見直し、悪い習慣があれば改善させることも治療の一環となります。
そして治療中はマウスピースやナイトガードを装着し、歯の保護に努めましょう。
たかが歯ぎしりと軽視せず、早めに歯科医の診察を受けて、正しい対処を行ってくださいね。