甘いものを食べると虫歯になるのはなぜですか?

子供の頃、誰もが「甘いものを食べると虫歯になる」と教わった経験があるでしょうし、
小さな子供がいる人は子供に対してそれと同じことを教えた経験があると思います。
仮にそう子供に教えたとして、子供が「なぜ?」と聞き返した場合、あなたはそれに答えられるでしょうか。

正確には、甘いものを食べると虫歯になると決まっているわけではないですが、
虫歯になりやすくなるのは事実であり、当然それには理由があります。
そこで、ここでは甘いものを食べると虫歯になりやすい理由について改めて分かりやすく解説していきます。

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虫歯菌の仕事

虫歯の原因菌…すなわち虫歯菌の仕事は酸を出すことです。
プラークと呼ばれる棲み処を作って歯に付着し、そこを拠点としてせっせと酸を出します。
そして、その酸によって歯が溶かされると虫歯の状態になります。

さて内容はどうであれ、仕事を抱えて毎日こなしているのは私達も同じですね。
そして、仕事をする時に絶対に欠かせないのがエネルギーであり、
仮に一切食事を摂らずに仕事をしていては、とても多くの仕事量はこなせないでしょう。

虫歯菌のエネルギー

私達が多くの仕事をこなすのにエネルギーが必要なように、
虫歯菌もまた多くの酸を出すためにはエネルギーが必要です。
このエネルギーが私達の場合は食事になりますが、虫歯菌の場合は糖になります。

知ってのとおり糖は甘いものに含まれていますから、そのため甘い物を食べると虫歯になりやすいのです。
つまりまとめると、虫歯になるのは虫歯菌が酸を出して歯を溶かしてしまうからで、
そして虫歯菌はエネルギーとなる糖を摂取することで、より多くの酸を出すようになるのです。

虫歯になるリスク

糖の摂取が虫歯菌の働きを活発にさせ、だからこそ甘いものを食べると虫歯になりやすいのです。
しかし、同じように糖を摂取しても虫歯になるリスクは人によって差があります。
では、なぜ虫歯になりやすい人となりにくい人がいるのでしょうか?…これもまた理由があります。

唾液の量が少ない

唾液は細菌を探す役割を担っていますから、量が少なければ当然その働きは不充分になります。

歯磨きの精度

歯磨きは誰もがしていますが、精度には差があります。精度の低い歯磨きをすれば虫歯になりやすくなります。

噛み合わせ

噛み合わせが悪いとプラークが自然に剥がれにくく、細菌が停滞して虫歯になりやすくなります。

歯並び

歯並びが悪いと歯が磨きづらく、磨き残しが増えることで虫歯になりやすくなります。

…人によって虫歯のなりやすさに差があるのは、このようなことが理由になっています。
最も、虫歯になりやすい人でも充分その予防はできますし、
一方で虫歯になりにくい人でもケアを怠ればたちまち虫歯になってしまうでしょう。

虫歯になりにくい身体にする方法

次の方法によって、虫歯になりやすい人でもそれを改善して虫歯になりにくくすることが可能です。

よく噛んで食べる

唾液は噛めば噛むほど多く出ますから、食事の時はよく噛むようにしてください。
そうすれば唾液の分泌量が高まり、細菌が流れやすくなります。

矯正治療を受ける

矯正治療は完全な審美目的のイメージですが、虫歯になりにくくする効果も期待できます。
歯並びを改善すれば歯が磨きやすくなり、噛み合わせを改善すればプラークも自然に剥がれやすくなります。

セラミック治療を受ける(二次虫歯の場合)

虫歯には再発のケースもあり、これを二次虫歯と呼びます。
詰め物や被せ物をセラミックにすることで、この二次虫歯を予防しやすくなります。

虫歯の予防方法

虫歯になりやすい・なりにくい関係なく、虫歯を予防するには次の3つのことを実践するのが効果的です。

デンタルフロスを使った歯磨き

ブラッシングだけの歯磨きでは磨き残しが多く、それはどうしても磨けない箇所があるからです。
デンタルフロスを使えば磨き残しを減らすことができ、数値で言えば8割以上のプラークの除去が可能です。

食生活の改善

糖の摂取、間食の頻度、ダラダラ食い、これらはいずれも虫歯になるリスクを高めます。
歯の再石灰化が充分に行えるよう、虫歯予防のために食生活を見直して改善してください。

定期検診の受診

定期検診を受けることで本来気づけない初期の虫歯を発見できますし、
ブラッシングや歯のクリーニングなど、虫歯予防に効果的な予防治療も受けられます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、甘いものを食べると虫歯になる理由についてまとめます。

1. 虫歯菌の仕事 :酸を出すのが虫歯菌の仕事であり、その酸で歯が溶けることで虫歯が起こる
2. 虫歯菌のエネルギー :エネルギーは糖。糖を摂取することで虫歯菌はより多くの酸を出す
3. 虫歯になるリスク :唾液の量の差などなら、虫歯になりやすい人となりにくい人がいる
4. 虫歯になりにくい身体にする方法 :よく噛んで食べる、矯正治療を受ける、セラミック治療を受けるなど
5. 虫歯の予防方法 :デンタルフロスを使った歯磨き、食生活の改善、定期検診の受診

これら5つのことから、甘いものを食べると虫歯になる理由について分かります。
甘いものには糖が含まれており、糖は虫歯菌のエネルギーです。
エネルギーを得た虫歯菌は食事をした人間のごとく働きが活発になり、
より多くの酸を出して虫歯になるリスクを高めさせてしまうのです。