インプラントと比べて、入れ歯のメリットは何がありますか?

医療というものは、どうしても新しい治療方法が注目されるものですね。
それは決して悪いことではないのですが、新しい治療方法が全ての患者さんに受け入れられるとは限らず、
例えば歯を失った場合の治療方法として、インプラントよりも敢えて入れ歯を希望する人も多いのです。
そこで、インプラントではなく入れ歯にすることでのメリットについて説明していきます。

入れ歯のメリットは「手軽さ」

入れ歯のメリットを一言で言うと、それは「手軽さ」にあります。
人工の歯としての性能はインプラントに及ばないものの、一方でインプラントにはない手軽さが多々あり、
それがインプラントと比較した場合の入れ歯のメリットと言えるでしょう。

治療内容の「手軽さ」

インプラントが人工の歯として安定しているのは人工の歯の根が再現されているからであり、
それは治療の過程で手術を行って顎の骨に埋めこみます。
入れ歯はこのような身体に負担のかかる治療は一切必要なく、治療において恐怖を感じることもありません。

治療期間の「手軽さ」

インプラントの治療期間は、手術による定着期間を含めるとトータル10ヶ月ほどかかります。
一方、入れ歯の治療期間は1ヶ月~2ヶ月程度であり、インプラントに比べて遥かに短くなっています。
それもこの期間は入れ歯の完成を待つ期間ですから、この期間中に治療が必要になるわけではありません。

費用の「手軽さ」

自由診療であるインプラントと保険診療である入れ歯は、その費用に大きな差があります。
おおよそですが、総入れ歯の場合は1万円から、部分入れ歯の場合は5000円からが大体の相場でしょう。
一方、インプラントの費用は1本につき25万円~40万円ほどかかり、相当高額な費用が発生します。

歯科医院探しの「手軽さ」

インプラントにするなら、インプラントの治療に対応した歯科医院に行かなければなりません。
最も、入れ歯にする場合にも同様のことが言えるのですが、入れ歯の治療に対応した歯科医院の数は、
インプラントの治療に対応した歯科医院の数に比べて明らかに多いでしょう。

…治療内容、治療期間、費用、治療を受けるための歯科医院探し、
入れ歯の場合はこれらの点においてインプラントにはない「手軽さ」があるのです。

オーダーメイドの入れ歯の案内

噛みづらい、すぐ外れる…入れ歯に対してそんなイメージを持つ人は少なくないと思います。
しかし、近年の入れ歯はこうした弱点を解消しつつあり、
インプラントには及ばないにしても使用する中でそこまで不自由に感じることはないでしょう。

また、より質の高い入れ歯を希望する人にはオーダーメイドの入れ歯にする選択肢もあります。
オーダーメイドの入れ歯は自由診療になるため費用は高くなりますが、
より自分に合ったサイズでなおかつ審美性も高く、使い勝手が大変良くなっているのです。

例えば、入れ歯は義歯床の厚さから熱を感じにくいのが欠点とされていますが、
オーダーメイドの入れ歯ならこの欠点についても解消されています。
さらに採用できる歯の色や形も幅広く、そのため天然の歯のような自然な見た目を再現可能です。

メンテナンスの重要性

入れ歯は、装着してそれで全て終わりというわけではありません。
その後は定期的にメンテナンスの通院が必要であり、
このメンテナンスを大切にすることで歯の健康維持、そして入れ歯の寿命を長くさせられます。

例えば、入れ歯を使用していると噛むことを繰り返す中で少しずつ調整がズレてくるのです。
そして、調整がズレてしまうと噛みづらくなり、噛み合わせ自体が悪くなってしまいます。
噛み合わせが悪くなれば、歯肉に負担がかかって歯周病を引き起こす危険性もあるでしょう。

メンテナンスにはこうした問題を予防・解消する目的があり、
定期的に入れ歯を調整することで長い間不自由なく使用できるようになります。
ちなみに、メンテナンスの頻度は3ヶ月~1年に1回程度くらいです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントと比較した上での入れ歯のメリットについてまとめます。

1. 入れ歯のメリットは「手軽さ」 :入れ歯のメリットは様々な点において手軽なこと
治療内容の手軽さ :インプラントの手術のように大きな治療を必要としない
治療期間の手軽さ :入れ歯の治療期間は1ヶ月~2ヶ月程度。インプラントの場合はトータル10ヶ月程度
費用の手軽さ :健康保険が適用されるため、入れ歯の治療費は安い
歯科医院探しの手軽さ :入れ歯治療に対応した歯科医院を探すことは難しくない

2. オーダーメイドの入れ歯の案内 :自由診療になるが、審美性も機能性も高い入れ歯を再現している
3. メンテナンスの重要性 :入れ歯を長持ちさせる秘訣は定期的にメンテナンスを受けること

これらのことから、インプラントと比較した上での入れ歯のメリットについて分かります。
こうして挙げてみると入れ歯のメリットも多く、決してインプラント一択ではないことが分かるでしょう。
特に、総入れ歯となるとインプラントにした場合はそれだけの数をインプラントにする必要があり、
費用の差から判断して余程のこだわりがなければ入れ歯をすすめる歯科医院が多いでしょう。