診察時に歯科医が言う「C1」とか「C2」とは何を意味しているのですか?

定期検診などで虫歯の有無を診察してもらう際、
歯の健康状態を確認しながら歯科医が「C1」や「C2」などと口にすることがあります。
歯科医が口にするこれらの言葉は、患者さんもその意味が気になってしまうのではないでしょうか。
実はこれらは虫歯の進行度をあらわす言葉であり、今回は「C1」や「C2」などの意味について解説します。

虫歯の進行段階

虫歯は進行する病気であり、歯科ではその進行度を症状などから5段階に分けています。
そして、その進行度を「CO」、「C1」、「C2」、「C3」、「C4」の5段階で表現するのです。
ちなみに、初期の虫歯にあたる「CO」は「シーゼロ」ではなく「シーオー」と読みます。

後は数字が増えるほど虫歯が進行していることになり、つまり最も酷いのは「C4」の虫歯です。
また、虫歯はそれぞれの段階によって起こる症状が異なり、同時に治療内容にも違いが出てきます。
では、それぞれの進行度における症状と治療方法について以下で解説していきます。

「CO」の虫歯

初期の虫歯であり、これは進行もしていない発症したての虫歯です。
正確には虫歯になりかけの状態ですから本格的な治療は必要とせず、
プラークコントロールさえ間違えなければ歯の再石灰化だけで治るでしょう。

そもそもこの時点で虫歯を自覚すること自体が難しく、
見た目として患部が白や茶に変色するものの、歯に痛みを感じることもないでしょう。
自然治癒で治るのはこの段階のみであり、以降…つまり「C1」からは治療しなければ治りません。

「C1」の虫歯

エナメル質…つまり歯の表面だけ虫歯になった状態で、患部に小さな穴があくこともあります。
ただし穴の深さは歯の表面のみに留まっており、そのため痛みを感じることはほぼないでしょう。
治療においては歯を削らずに治せることもありますが、削ったとしてのその範囲はごく僅かです。

このため治療においてもほとんど痛みを感じず、麻酔を使用しなくても問題ないでしょう。
虫歯は早期発見と早期治療が大切ですが、この段階で発見して治療すれば軽症となり、
みなさんが虫歯に対してイメージしている症状や治療による痛みを感じることはありません。

「C2」の虫歯

みなさんが虫歯に対してイメージしているのは、おそらくこの「C2」の虫歯でしょう。
また、放置さえしなければ「C2」の段階で虫歯を自覚できるはずです。
この段階になると虫歯が象牙質まで進行しており、そのため知覚過敏による痛みを感じます。

これは象牙質が刺激に対して敏感なためで、冷たさや熱さを感じることでそれが刺激となって痛むのです。
治療方法もみなさんがイメージしているとおりのもので、
歯を削って詰め物で処置しますが、象牙質まで虫歯が進行しているため歯を削る時にも痛みを感じます。

「C3」の虫歯

虫歯が神経まで進行した状態で、虫歯の進行において最も辛い痛みを感じるのがこの「C3」です。
その痛みは知覚過敏のように一瞬ではなく、常にズキズキとして夜も眠れないほどの痛みであり、
例え痛み止めを飲んでも完全に痛みを解消するのは不可能なくらいです。

治療も大きなものになり、歯を削るだけでなく歯の根の清掃と消毒を目的とした根管治療を行います。
最終的には詰め物で処置するものの、削った範囲によっては被せ物を立てなければなりません。
ただ、「C2」の段階で虫歯を自覚できるため、放置しなければここまで虫歯が進行することはないでしょう。

「C4」の虫歯

進行と言うよりも、ここまで来ると完全な末期段階です。
歯は穴があくどころかボロボロに溶かされており、歯がそこにあるのかも分からない状態です。
既に歯としての機能は完全に失われ、治療しても被せ物を立てられないため抜歯するしかありません。

とは言え、治療しない限り虫歯の原因菌は生き続けており、最終的には血液の中にまで入ってきますし、
それが原因で思わぬ深刻な病気を引き起こす危険性があります。
このため、例え歯を残せないとしても治療はしなければならないのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の進行度をあらわす言葉についてまとめます。

1. 虫歯の進行段階 :「CO」、「C1」、「C2」、「C3」、「C4」の5段階であらわし、「CO」は「シーオー」と読む
2. 「CO」の虫歯 :虫歯になりかけの状態で、確実なプラークコントロールができれば自然治癒が可能
3. 「C1」の虫歯 :初期の虫歯のためそれほど深刻ではなく、歯も表面までしか削らずに治せる
4. 「C2」の虫歯 :象牙質まで進行した虫歯で痛みを感じる。歯を削って詰め物で処置する
5. 「C3」の虫歯 :神経まで進行した虫歯でズキズキと激痛を感じる。歯の根も治療しなければならない
6. 「C4」の虫歯 :虫歯の末期段階。虫歯菌の駆除は可能だが歯は残せず、抜歯しなければならない

これら6つのことから、虫歯の進行度をあらわす言葉について分かります。
多くの人が虫歯を自覚するのは「C2」の段階が多く、実は痛みを感じた時には既に虫歯が進行しています。
初期段階で治療するには「CO」もしくは「C1」の段階で虫歯を発見する必要があり、
これらの段階では自覚症状がないことから、定期検診を受けていなければ発見は難しいでしょう。