総入れ歯になった時はどうやって噛めば良いのですか? 今から心配です。

入れ歯治療を行なっている南浦和の歯医者さん、くろさき歯科です。今回は、「総入れ歯になった時はどうやって噛めば良いのですか? 今から心配です。」という質問について詳しくお答えしていきたいと思います。

総入れ歯になってしまうと、自分の歯と比べて、噛む力は3分の1以下になってしまうと言われています。総入れ歯は、固定源が無いため、上手に噛まないと、入れ歯が動いてしまうことや、痛みが出てしまうことがあります。総入れ歯を、できるだけ快適に使用するためには、適切な噛み方を習得することが大切です。

総入れ歯に慣れるまで

総入れ歯を入れても、すぐに普通に噛めるようになるわけではありません。慣れるまでには、2〜3か月程度かかるので、焦らず、徐々に慣らしていくことが大切です。

(1)総入れ歯の仕組み

総入れ歯は、歯が一本も無くなってしまった場合に、用いる取り外し式の装置で、人工歯と粘膜の上にのるピンク色の「床(しょう)」からできています。床と粘膜の間に唾液が入り込み、粘膜に吸着するような形で、保持します。部分入れ歯のように、引っ掛けて固定することができないため、どうしても動きやすくなっており、食事をするのにコツが必要です。

(2)総入れ歯の慣らし方

初めて総入れ歯を入れてから、入れ歯が馴染んだと感じるまでに2〜3か月かかります。それまでの間は、1〜2週間に1回程度受診をして、細かな調整を行ないます。慣れるまでの間は、柔らかい麺類やよく煮込んだスープなど、あまり噛まなくても良いものから始めましょう。

総入れ歯の時の噛み方

総入れ歯で噛む時のポイントは主に4つあります。・前歯で噛み切って、奥歯でつぶす
・左右両方の歯で噛む
・少しずつ食べる
・入れ歯に合った食べ物を食べる
これらのポイントについて、それぞれ解説します。

(1)前歯で噛み切って、奥歯でつぶす

食べ方の基本は、「前歯で噛み切って、奥歯でつぶす」ことです。総入れ歯になる人は、奥歯から歯を失っていることが多く、前歯で噛む癖がついてしまっている場合が多いです。前歯で噛むと、奥歯の方が浮いてしまい、外れやすくなってしまいます。「前歯で噛み切って、奥歯でつぶす」ことを意識して、ゆっくり食べましょう。

(2)左右両方の歯で噛む

自分での歯で噛む時は、左右どちらの歯で噛んでいることが多いですが、総入歯の場合は「左右両方の歯で噛む」のがポイントです。左右どちらかで噛むと、噛んでいる方の反対側が浮き上がってしまい、外れやすくなってしまいます。左右同時に噛むことで入れ歯の位置が安定します。

(3)少しずつ食べる

総入れ歯は、自分の歯と比べて、噛む力は3分の1程度に落ちてしまいます。一度にたくさんの食べ物を口に入れずに、少しずつ食べるようにしましょう。

(4)入れ歯に合った食べ物を食べる

入れ歯には、どうしても食べにくい食べ物があります。硬い食べ物や噛み切りにくい食べ物、入れ歯にくっつきやすい食べ物は、慣れるまで控えるのが良いでしょう。総入れ歯の人が食べにくい食べ物には、次のものが挙げられます
・硬い肉
・繊維の多い野菜
・餅などの粘着性のある食べ物
・ナッツなどの隙間に入り込みやすい食べ物
これらのものは、慣れるまでは、かなり食べにくい食べ物になりますので、しばらくは控え、徐々に慣らしていくようにしましょう。お肉や野菜などは、細かく刻んだり、隠し包丁を入れて、噛みやすくしておくと良いです。また、食べ物の温度を感じにくくなっていますので、熱い食べ物・冷たい食べ物は注意して食べるようにしましょう。

総入れ歯の重要性

総入れ歯になって、うまく食事をする事ができず、食事の時に痛みが出るようになってしまうと、入れ歯を装着することが嫌になってしまうことがあるかもしれません。しかし、入れ歯を装着せずにいると、顎の骨の土手(顎堤)はどんどん退縮してしまい、入れ歯は合わなくなっていきます。そして、お口の機能が低下していき、咀嚼機能や発音機能に障害が生じ、見た目も老けて見えるようになってきてしまいます。きちんと噛める入れ歯を入れることは、全身の健康にも関わります。なかなか噛めない場合には、受診を続けながら、総入れ歯をしっかり使って、噛めるお口を作っていきましょう。

まとめ

「食べること」というのは、生活の楽しみの一つです。できるだけ自分の歯を残していきたい物ですが、総入れ歯になってしまった場合には、うまく総入れ歯と付き合っていき、食事をいつまでの楽しみたいものです。最後に総入れ歯の時の噛み方のポイントをまとめます。

【総入れ歯の時の噛み方】
・前歯で噛み切って、奥歯でつぶす
・左右両方の歯で噛む
・少しずつ食べる
・入れ歯に合った食べ物を食べる

すぐには、慣れなくて当たり前です。これらのポイントを意識しながら、徐々に慣らしていくようにしましょう。

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