総入れ歯になった時はどうやって噛めば良いのですか? 今から心配です。

入れ歯治療を行っている南浦和の歯医者さん、くろさき歯科です。今回は「総入れ歯になった時はどうやって噛めば良いのですか? 今から心配です。」という質問について詳しくお答えしていきたいと思います。

総入れ歯は、固定源がありません。唾液を介して粘膜に吸着させるようにして、位置を維持しています。総入れ歯は、安定性に欠け、噛む力も弱くなるので、今までと同じような噛み方ではうまく食事と摂る事ができません。
では、総入れ歯になった時はどうやって噛めば良いのでしょうか?
今回は、総入れ歯装着時の噛み方を解説し、最後に総入れ歯にならないためにするべき事を解説します。

総入れ歯装着時の噛み方

総入れ歯は、粘膜の上に入れ歯が吸着させてのっているだけで、しっかりと固定されていません。噛み方によっては、入れ歯がガタガタと動いてしまう事や、外れてきてしまう事があります。総入れ歯装着寺の噛み方は、自分の歯で噛む時と勝手が違うので、意識して練習する必要があります。
噛み方のポイントを挙げていきます。

前歯で噛み切って、奥歯で潰す

前歯で噛み切り、奥歯で潰すのが、噛み方の基本です。総入れ歯になってしまうまでの過程で、奥歯よりも前歯の方が長く残っている事が多いので、前歯ばかりで噛む癖がついてしまっている場合があります。前歯ばかりで噛むと、入れ歯の奥の方が浮いてきて、外れやすくなってしまいます。

左右同時に噛む

自分の歯で噛む時には、左右どちらか片側の歯を使って噛む事が多いですが、総入れ歯の場合は左右の歯で同時に噛みます。
片側だけで噛むと、入れ歯の反対側が浮いてきてしまいます。左右の奥歯をバランス良く使って、同時に噛めるようにします。

一度にたくさん口に入れない

総入れ歯は、噛む力が2割〜3割程度にまで下がります。一度にたくさんの食べ物を口に入れても、噛む事ができません。少しずつ口の中に入れるように注意しましょう。

口を開ける時に舌先を持ち上げない

噛む時には、歯だけでなく「頬」や「舌」も使っています。頬や舌は筋肉があり、良く動きます。総入れ歯を使っていくうちに、頬や舌の筋肉を上手く使い、入れ歯を安定させられるようになってきますが、慣れるまでは、頬や舌の動きにも注意が必要です。

口を開ける時に、舌先を上に持ち上げる癖があると、下の入れ歯は浮き上がってしまいます。舌先は、下の入れ歯の前歯の内側あたりに、舌の左右両側は、入れ歯の左右内側あたりに押し付けるような感じにするのが良いです。

入れ歯安定剤を使う方法

総入れ歯で食事する時、入れ歯が動いたり、入れ歯が外れるなどして上手く噛めない場合、入れ歯安定剤を使うと噛みやすくなる事がありますが、使用には注意が必要です。
むやみに多用すると、歯ぐきや入れ歯に悪影響が出ます。
例えば、入れ歯安定剤を使いすぎると、入れ歯からの刺激が歯ぐきの粘膜に伝わりにくくなり、歯ぐきが痩せてきてしまう事があります。
入れ歯安定剤は、あくまで応急的な対応として、使用するようにしましょう。

総入れ歯にならないために

総入れ歯の場合、噛む力は天然の歯の2割〜3割程度にまで下がってしまいます。天然の歯と同じように使う事が出来ません。
残っている歯が多ければ多いほど、噛む力を維持しやすくなります。部分入れ歯であれば、残っている歯を固定源にして、入れ歯を安定させる事ができるので、総入れ歯の何倍も食事がしやすい状態だと言えます。

多数の歯を失ってしまうと、「いずれ総入れ歯になる」と思いがちですが、それは自分次第です。できるだけ自分の歯を長く多く残せるようにしていきましょう。
総入れ歯にならないために気をつけるべきポイントを紹介していきます。

部分入れ歯の十分な手入れ

部分入れ歯が入っている場合には、毎日、自分の歯と同じように手入れをしましょう。
毎日取り外し、ブラシで擦り洗いをします。この時、歯磨き粉などは付けなくて構いません。
特に、歯に引っ掛ける金属のバネ「クラスプ」の周囲は汚れが溜まりやすいので、丁寧に磨きましょう。

残っている歯の丁寧なケア

毎日、残っている歯は丁寧に歯磨きをします。残っている歯の左右に歯が無く、1本だけ孤立していると、周囲に汚れが溜まりやすくなり傾向にあります。
歯の周囲を1周ぐるりと注意して磨きましょう。

定期検診

自分の歯が少なくなると、「どうせ歯が少ないから」と定期検診を怠ってしまう事があります。
しかし、残っている歯の健康を維持するためには、定期検診がとても大切です。定期検診を受ける事で、歯の異常に早く気がついて、早めに対処する事ができます。定期検診は、歯の寿命を延ばす事に繋がるのです。

また、入れ歯にも定期検診が必要です。入れ歯は使って行くうちに、徐々に合わなくなってくるものです。定期的に入れ歯の適合状態や噛み合わせをチェックし、必要であれば入れ歯の調整を受けましょう。

まとめ

総入れ歯は、入れ歯が安定しにくいため、噛む時に注意しないと、入れ歯が動いたり、外れてきてしまう事があります。最後に総入れ歯の噛み方のポイントをまとめます。

【総入れ歯の噛み方のポイント】
・前歯で噛み切って、奥歯で潰す
・左右同時に噛む
・一度にたくさん口に入れない
・口を開ける時に舌先を持ち上げない
・上手く噛めない時、入れ歯安定剤を多用するのはNG

総入れ歯になると、噛む力は、自分の歯で噛む場合の2割〜3割程度にまで低下してしまいます。自分の歯が多く残っているほど、噛みやすく、食事がしやすくなります。多くの歯を失ってしまったからといって諦めず、できるだけ自分の歯を長く多く残せるようにしていきましょう。