歯を矯正する時のおおまかな治療期間と治療費を教えてください

矯正、インビザラインを行っている南浦和の歯医者さん、くろさき歯科です。今回は、歯を矯正する時のおおまかな治療期間、について解説いたします。

歯の矯正というと、治療費が高額だとイメージする方も多いでしょう。実際、矯正治療は、病気の治療ではありませんので、自費治療となるため、保険の治療と比較すると、高額になります。しかし、一度に高額な治療費を支払う必要があるわけではありません。かかる治療費は、いくつかの項目に分かれており、それぞれ治療内容によって金額の目安があります。矯正治療を希望する場合には、あらかじめ治療費の目安を知っておくと安心です。また、矯正治療の方法によっても、治療期間や治療費が異なるので、合わせて確認しておくと良いでしょう。

1. 矯正の治療期間について

歯並びや噛み合わせは、人それぞれ違います。矯正治療においても、年齢や歯並びの悪さ、使用する矯正装置などによって、治療期間は異なります。矯正装置を装着してから外すまでの期間は、平均1年半〜2年半程度だといわれていますが、患者さんによって治療期間は変わるという事を覚えておきましょう。

また、矯正治療を終えた後も、1年〜2年程度は、定期的に治療後の管理やメインテナンスで通院が必要になります。その期間は患者さんによって異なります。

(1) 小児の場合
小児の場合は、顎のバランスや大きさを整える「1期治療」と、歯の位置を整える「2期治療」に分けられます。顎の骨がこれから成長していく小児の時期は、「1期治療」を経る事で、なるべく大人の歯を抜かないで、歯並びを整える事ができます。
1期治療:10か月から1年半
2期治療;1年半から2年半

治療法によって変わる矯正期間
矯正治療は、症状に応じて、治療法が異なります。代表的な治療法と治療期間の目安は次のとおりです。

ブラケット矯正
歯の表面にブラケットという器具を装着し、ブラケットにワイヤーを通して、歯並びを整える方法です。実績のある最もポピュラーな矯正治療法です。治療期間は約2年半〜3年です。

裏側ブラケット矯正
ブラケットを歯の裏側(舌側)に装着する矯正方法です。一見すると矯正治療をしている事がわからないというメリットがあります。ただし、舌側に装置がある事から、舌に触れて、違和感を感じる事も多いようです。治療期間は約3年〜となり、通常のブラケット矯正よりも長くかかる傾向にあります。

マウスピース矯正
インビザライン矯正とも言われます。透明で薄いマウスピースを順番に装着して、歯を動かす治療法です。簡単なはの凹凸や傾斜など、歯並びの乱れが軽度の症例に有効な矯正方法です。治療期間は約1年〜2年ですが、取り外しできるがゆえ、取り外している時間が長くなると、治療期間は長くなってしまいます。

部分矯正
歯並びが気になる箇所だけに矯正装置を装着する治療法です。前歯だけの歯並びを治す場合などに有効です。ブラケット矯正、裏側ブラケット矯正、インビザライン矯正のいずれでも可能です。治療期間は約3か月〜1年です。

2. 矯正の治療費の目安

矯正治療でかかる費用は「初診料・検査料」「治療費」「治療後の管理・メインテナンス費用」にわけられます。それぞれについて詳しく解説したいと思います。

(1) 初診料・検査料・調整料
矯正治療を始めるにあたって、治療計画を立てるために十分な検査を行う必要があります。
・初診料 カウンセリングなど 5000円程度
・検査料 レントゲン・口腔模型作成・口腔内写真撮影など 3万円〜5万円程度
・調整料 矯正装置の調整や管理 3000円〜5000円程度
矯正治療開始後は、1か月に1回程度、矯正装置の調整や管理で来院する必要があります。その都度かかるのが“調整料”です。

(2) 治療費
治療費は、矯正方法によって異なります。代表的な治療方法の治療費の目安は次のとおりです。
a. ブラケット矯正 80万円程度
b. 裏側ブラケット矯正 120万円程度
c. マウスピース矯正 80万円程度
高額になりますが、一度に支払わなくても良い場合があります。現金でのお支払いだけでなく、カード払いやデンタルローンがありますので、計画的に分割して支払う事ができますので、月々1万円程度から可能です。

(3) 治療後の管理・メインテナンス
矯正治療が終わっても、しばらくの間、歯は元の位置に戻ろうとする力が働いています。後戻りを防ぐために、「リテーナー」という保正装置を装着する必要があります。
・ リテーナー代など 1万円〜6万円程度
・ 定期検診、メインテナンス費用 2000円〜1万円程度

3. 医療費控除

高額になる事の多い矯正治療ですが、条件を満たせば、医療費控除の対象となる事があります。医療費控除とは、1年間の医療費が10万円を超えた場合に、納めた税金の一部が返ってくる制度です。担当医が「噛み合わせが悪く、機能的な問題があるため、矯正治療が必要」だと診断した場合、確定申告で診断書を提出すれば医療費控除を受ける事ができますので、矯正を希望する際には、診察の際に医療費控除についても聞いておきましょう。歯科医院で出された領収書や、通院の際にかかった経費の領収書などは、申告の際に必要ですので、大切に保管するようにしましょう。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか。矯正治療は、治療期間と治療費がかかる治療です。負担に感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、矯正治療は、一生使う歯を守るための治療でもあります。矯正は見栄えの問題だけではありません。虫歯や歯周病のリスクから歯を守り、噛み合わせが改善する事により、口だけでなく身体のバランスも整えます。歯は身体の一部です。歯並び、噛み合わせが気になっている方は、矯正治療を検討してみるのはいかがでしょうか。